ゴルフ

チェンマイのゴルフ

火炎樹
   いささか重たい話が続いたので、ちょいと軽めにゴルフの話なぞを。今更ゴルフの話も無いだろうとも思いますが、私のお気に入りの場所をご紹介したいと思います。

ゴルフ
   市内中心から車で1時間程の圏内に8箇所のゴルフ場があります。かつてはプレイ代も日本と比べて安かったため、「ゴルファ天国」などとはやし立てられ、日本からも沢山のゴルファが来て、贅沢三昧をしていたようです。
ゴルフ02
嘗てお大尽がプレイする際には、お供が帯同しました。日傘持ち担当、休憩用椅子持ち、キャディバッグ担ぎ、飲み物担当など一人のプレイヤーが3人も4人もぞろぞろとキャディさんを引き連れて、プレーをする。
こんな連中が3,4人グループでスタートした日にゃ、グリーン上では大騒ぎ。まるで新宿西口地下広場を彷彿させるような混雑振りとなるでしょう。
  はたから見ていて何とも見っとも無く、滑稽を通り越して腹立たしくもなります。



  しかし最近は、あの美人宰相のインラック元総理大臣が施行した「最低賃金法」実施の結果、諸物価、人件費が一気に高騰し、ゴルフのプレイ費も軒並み値上げラッシュ。
  今では最低クラスで邦貨6000円、ハイクラスは一万円を超えるところもでてくるほどに成ってしまいました。

  これでは、わざわざ日本から飛行機に乗ってやってくるメリットは無い、、はず、、なの、、ですが、今だに日本からジジイゴルファー達がワサワサとやってきます。





  叶わぬ「大名ゴルフ」の夢をいまだに追い求めているのでしょうか。
「朝はゴルフ、昼マッサージで、夜カラオケのゴールデントライアングル、とか言って鼻の下伸ばしてんじゃねーぞ」と意味もなく毒づいても、相手にとっては大きなお世話なのではありますが。

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  実は鼻の下伸ばしているのは日本のおじさん達だけでなく、ご当地のおじさん達も伸ばしているようです。

スタードームゴルフクラブ

スタードームゴルフ
   こちら市内の一角にある9ホールのゴルフ場「スタードームゴルフクラブ」。もとは、由緒正しき「タイ国空軍」のリクリエーション施設だったものが一般市民に開放されたものです。
  ここのほかにも別のところに陸軍の所有だったゴルフ場もあります。
  タイでは、軍人さんはそれなりの地位権力があり、尊敬もされているようです。
  ついつい忘れがちになるのですが、昨年のクーデターで、現在タイは「え?今時??」の軍事政権下で、つい最近「戒厳令」が解除されたばかりでした。

リフレッシュガールズ

「スタードームゴルフクラブ」
クラブハウスの受付カウンターの後ろに、何やら意味有り気な掲示があります。
                これは一体なんだ?? 

 沢山のブロマイドが並べられ、なにやら意味不明な言葉が書いてあり、
ん~、確かどこか、で見たことあるような、ないような、、、、、、


リフレッシャー

  こちらのゴルフ場では、写真のような白いミニの制服に身を包んだいわゆるコンパニオン??がプレイ中に帯同してくれます。「リフレッシャー(RF)」と言うそうです(意味不明です)。


「私たちフェアーウェイのアイドル、リフレッシュガールズで~~す。よろしくね」






勿論、普通のキャディさんも居ます。

キャディフィ  
  「普通のキャディさん」  500円   チップ   300円
一方 「リフレッシュー」  2000円   チップ 最低でも1500円

「たっけ~~」

キャディさんのお仕事とは。プレーヤーが引っ掻いた芝の補修をする、汚れたクラブを拭く、汚れたボールを拭く、バンカーショットの後砂をならす、などなど休む間もありません。おまけに、しつこいプレーヤーのしつこい質問にたいして、残り距離を教えたり、グリーンの傾斜を教えてくれたりします。

 一方「RF」さんのお仕事はというと、、、時々カートの運転とか?   あとは特に何も。

この作業分担と賃金設定は、これでいいのか?
世の中、こんな理不尽が放置されていていいのか?

聞くところによると、コース途中に茶店があり、そこではビール以外にも簡単なカクテルなども頂けるそうです。
プレイ途中で茶店に入り、美女をはべらせ調子に乗って少しばかり多めに聞し召して、その挙句にプレイ続行不能に陥り、そのまま帰宅される方もいらっしゃるとか。これはもう「ゴルフ」と言う名の全くの別物になってる、と思う。

  軍の施設を一般開放したまでは良かったが、そのマネージメントをひき受けた新オーナーが完全に「お色気路線」に走ってしまいました。まあ、おじさん達も喜んでいるようだし、これはこれでいいのかも知れませんが?
  ちなみに、ゴルフコースとしては排水能力もしっかりあり、フェアーウェイも適度にアンジュレーションがあり、夜間照明もある優れたコースではあります。念のため。

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   さて、私 ストイックなゴルファーとしては、そんな不埒な羽目を外したコースには目もくれず(本当は行きたくてもお金が無いから行けないのだ)、本来のゴルフの姿を追及すべく、ひたすら我がクラブに日参するのでした。

チェンマイジムカーナクラブ

チェンマイジムカーナクラブ
「チェンマイ ジムカーナ クラブ」

アパートからちょいとバイクで10分程走った所に在り、会員になれば月会費2000円だけで基本回り放題。キャディさん使わずに自分でカートを引けば、出費は飲み水とボール代だけで済んでしまいます。
  気軽にゴルフを楽しめる身の丈にあった感じがとても気に入ってます。

ジムカーナクラブ

当クラブは100年以上の歴史があります。しかし、その古さゆえの欠陥をずっと引きずっています。
  コースの排水設備が無いため、雨降りの翌日は巨大なウォーターハザード(いわゆる水溜り)が出現します。雨季が終わり雨の無い日が続くとコース全域がかちかちになり、ショットの度に手首が痛いです。
  フェアーウェイもガチャガチャした感じで、日本の河川敷コースに毛の生えた程度のレベルでしょうか。
ジムカーナクラブゴルフコース

  あるとき、植物の専門家と同伴した際に、試しに、生えている草の種類を聞いたところ、返ってきた答えは只一言、「雑草です」と。
  口調のニュアンスからして、「よく調べてみないと詳しくは判らない」と言うよりはむしろ、「調べるまでも無いそこらにいくらでもごく普通に生えている草」という、いかにも面倒くさそうな答えでした。  そんな口さがない批判を受けながらでも、私はこのコースが好きです。

では早速、ご一緒にホールを回ってみましょう。
一番ホール。一見、真直ぐな何の変哲も無いホール。
コース左奥に遥かにグリーンが見えます。

ジムカーナクラブゴルフコース02

  一番 ティーショット。「ナイスショット」と言いたいところですが、トップヒットしたボールはコース左の木の下へ一直線。一番悪いポジションです。

ジムカーナクラブゴルフコース03

  セカンド地点。コースのほぼ真ん中ですが、ここが曲者。グリーン左手前の大きな木が枝を伸ばしています。この位置からだと、木越えを狙うとグリーンオーバーするため、枝の下を転がすか、右へ逃げるかしかありません。
  このホール、広々した単純なホールに見えますが、2打でグリーンを捉えるにはコース右の狭い範囲しかポジションがありません。
  この大きな木も樹齢数十年。その間、多くのゴルファー達の挑戦を退け、へっぽこゴルファー達の向上心をかき立て、様々に試練をあたえ続けてきた長い歴史があります。それがこのコースの魅力となって、足しげく通わすほど人を引けつけるように思います。たとえ足元がガチャガチャであっても。
ジムカーナクラブゴルフコース04
苔むした古い石橋を渡って次のホールへ。

ジムカーナクラブゴルフコース05

池越えのショートホール。
見渡す限り、他に人は見えません。この緑滴る広々した空間を貸しきり状態で独り占め。こんな贅沢は他にあるでしょうか?
  聞こえてくるのは、鳥のさえずりと風の音、そして木の間を通して時々遠くに聞こえてくる列車の汽笛がひどく郷愁を誘います。

ジムカーナクラブゴルフコース06

  一回りして帰ってくると、齢百年の樹が枝を大きく伸ばして涼やかなる木陰を作り、プレーヤーを迎えてくれます。上手な人もそうでない人も、うまく行った人もだめだった人にも等しく優しい憩いの場を提供してくれます。
  自然と対峙し、カケスがディスプレイをしたりリスが木を移動したりしているフィールドを共有して、白球を追いかけ、目論見どおりに歓喜したり、自身の不甲斐無さに嘆いたり(ほとんどこっちですが)。
  こうしたラウンド中の高揚した気分が、この大樹の下へ来ると、腹のそこから「ホッ」と息が付けます。耳を澄ますと百年分の「ホッ」が聞こえてきそうです。

ジムカーナクラブハウス

  オープンスペースのレストランです。ここでは、何はともあれ「取り敢えず」のビールでしょうか。奥に冷房の効いた室内がありますが、やはり皆さんこちらのオープンの方がお好きなようで、昼時にはいろいろな国の言葉が飛び交いとても賑やかになります。

ジムカーナクラブハウス02

  奥には、英人の好きそうな、いかにもなパブ形式のカウンターバーもあります。ここで、スコッチなどをチビチビ舐めながら、木漏れ日の中を行き交うゴルファーを眺めるのも一興かと思いますが、今はまだその日の反省会ばかり。何時の日かゆとりを持てるようになったらのお楽しみに取って置こうと思います。

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